約1世紀前に「ロボット」という言葉を生んだチェコの著名な文学者カレル・チャペックは園芸マニアでもあった。園芸家の姿をユーモラスに描いた「園芸家12カ月」という著作を残しているほどだ。
 テレビドラマでこの本が紹介されているのを見て、読み始めた。すると、とても味わいのある文章で、園芸家でもないのに愛読書になってしまった。
 こんな一節がある。<未来はわたしたちの前にあるのではなく、もうここにあるのだ。未来は芽の姿で、わたしたちといっしょにいる。(中略)芽がわたしたちに見えないのは、土の下にあるからだ。未来がわたしたちに見えないのは、いっしょにいるからだ>
 3月末は旅立ちの季節だ。期待と同時に、これから入学する学校、就職する会社、異動先でうまくやっていけるのか、不安を覚える時期でもある。
 報道部でも、昨年入社した記者が新たな職場に赴任し、また新人が入る。すぐに芽が出なくても、未来は土の下にあるのだから、せっせと水をやって育ててもらいたいと思う。何だか卒業式の祝辞みたいになってしまった。ご勘弁。
(報道部長代理 山野公寛)