被災地をさげすむ発言がまた繰り返された。桜田義孝前五輪相。岩手が地元の衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのは同僚議員」と述べ更迭された。
 「来年は五輪。世界中の人が岩手にも行くと思う。東日本大震災ということで東日本には岩手も入る」とも語った。岩手のことをよく理解していないのではと思わせるような言葉だ。
 おととし5月、当時の今村雅弘復興相が「(震災被害が)まだ東北であっちの方だったから良かった」と発言し辞任したケースと重なる。当日は三陸鉄道(宮古市)の幹部らと懇談し「三陸のために頑張る」と張り切った直後だった。
 今回もなぜか岩手絡み。両氏の発言には「被災した東北は遠いあっち」という人ごとのような響きがにじむ。「閣僚全員が復興相」は吹き飛び、政治の中枢で風化が進むように映る。
 桜田氏が失言を重ねても政権はかばい続けた。その果てに軽々しい発言は飛び出した。新元号決定、紙幣刷新発表を追い風にしようとした政府与党に冷や水を浴びせる形になった。
 緩みがツケとなり回ってきたこのタイミング。一寸先はまさしく闇だ。
(東京支社編集部長 吉岡政道)