これからの季節、山形暮らしの楽しみにたけのこ汁がある。味付けはみそと酒かす。軟らかくゆでたタケノコにシイタケ、厚揚げなどが加わり、とにかく具だくさんなのがうれしい。
 低カロリーなのに、食べるほどに元気になれる気がする。地下茎から地面を押し上げて伸びる力強さによるのかもしれない。どこのタケノコでも十分おいしいのだが、庄内特産の孟宗(もうそう)なら申し分ない。
 幕末の志士で明治の政治家、副島種臣は庄内の気質を「沈潜の風」と評したという。目に見えぬ所で力を蓄え、いざというときに発揮する。地元では「花よりも根を養う生き方」とも解説される。
 さて統一地方選は、あすが後半戦の首長・市町村議選投票日。紙面には前半戦の県議選から「なり手不足深刻」「無投票増加」「投票率、過去最低」といった見出しが躍り、かつてなく地方自治の根っこの衰弱ぶりがあらわになっている。
 香り豊かなタケノコも竹林の手入れなくしては育たない。地域に目を配り、人材を育てる。政党にとって今ほど、根を養う仕事が重要になっているときはあるまい。(山形総局長 昆野勝栄)