8月17日、完全養殖されたクロマグロの稚魚を見るために青森市の浅虫水族館に行った。直径12メートル、深さ3メートルの円筒状のイルカ用プールを、体長約9センチの13匹が一団となって泳いでいた。

 大分県から陸送した3000匹が到着前後に大量死した。「環境に慣れて生き残ってほしい。餌の食いはよい」と伊藤達志管理部長(58)。手探りの飼育が続く。

 浅虫水族館は社会面「みちのく」にも度々登場する。ホタテの天敵・点滴レース、ピラニアと骸骨、裏表のない両面カレイ、令和アザラシ…どれもユニークだ。

 水族館の前身は、1924年設立の東北大学理学部付属の浅虫臨海実験場(現浅虫海洋生物学教育研究センター)。水族館施設を青森県に移管する形で83年に開館した。2014年には県の観光施設で初の入館者数1000万人を達成した。

 50年も前、幼稚園の遠足で旧水族館に来た。学生時代には千葉県館山市で臨海実習をした。ウニの卵に突き刺さるように集まる精子や、授精させた瞬間に形成される受精膜などを顕微鏡で観察した。厳かだった。

 水族館や動物園は話題に事欠かない。ヒトと同様の生命を感じるからだろう。
(青森総局長 長内直己)