よそ者に対する会津人の厳しさに泣き、やがて温かな人情に触れて泣く。最後は会津を離れるつらさに3度目の涙を流す。「会津の三泣き」として知られる。

 東北各地を転々としながら、記者として土地土地の人情に育まれてきた。「三泣き」は会津にとどまらないと思う。

 昨年4月に入社した新人記者7人が先日、心細そうな面持ちで新天地に羽ばたいた。新型コロナウイルスの影響で報道部の送別会が中止になり、短く「頑張って」としか言えなかった。

 「最初の3カ月が肝心。この期間に回らなかった所は3年たっても回らない」。受け売りだが、四半世紀前の先輩記者の教えを、この場を借りて伝えたい。

 事件事故や選挙の取材を重ねるにつれ、初めは平板でのどかにすら見えた田園風景が、立体的かつ裏側まで見えてくるのは2、3年後か。「本社に戻りたくない」との思いが膨らめば、土地になじめた証拠だろう。

 3年前に送り出した若手が明日から本社で働く。おそらく「三泣き」を経験し、一回りも二回りも成長しているはずだ。今も不安でいっぱいの後輩たちへ。涙を糧に成長してほしい。
(報道部次長 山崎敦)