「放流が間近になり、娘はうれしさ半分、別れる寂しさ半分のようです」

 ひと冬の世話で、愛着も増したのだろう。ホタルの里親となり、幼虫の飼育を続ける仙台市片平丁小6年の堀野若葉さん(11)。複雑な今の心境を、お母さんに教えてもらった。

 飼育場所はマンションの一室。水槽の中にはホタルの幼虫40匹と、餌となる貝のカワニナ。上から沈めたホオノキの葉は寒さをしのぐ布団代わりだ。若葉さんは指先を真っ赤にして、凍えるような日も水替えを続けたという。

 秋に託された体長1センチほどの幼虫は、手塩にかけて約3センチまで成長。水槽の中で光る姿も確認できた。「みんな大きくなってきれいに飛んでほしい」。かつて虫嫌いだった少女は夏の夜の乱舞を夢見ている。

 若葉さんら3人の子どもたちも育てた幼虫は今月、仙台城跡近く青葉山公園内の沢で放流される。12日午前10時から。参加希望の方は「青葉山ホタルの会」兵庫淑子会長090(7660)0339まで。

 「成長した娘の姿もお見せできると思います」。別れの春、見守るお母さんはうれしそうだ。
(写真部次長 佐々木浩明)