「今回も全国から10人の応募があり、現場に広まったのは成果」。創設から12年目となった「教育実践・宮城教育大学賞」について、見上一幸学長は語る。
 子どもたちの可能性を開く独創的な授業に光を当て、日々奮闘する教師たちを表彰してきた。宮城県限定でなく、北海道や九州からも応募者がいる。「皆が抱く授業の悩みを解決する試みがあれば、どんな遠くでも評価し、励まし、多くの教師と分かち合う。それが賞の役割」
 各地の学校で問題になっている「いじめ」も、「子どもと教師が毎日、きちんと向き合っている教室からは生まれない」と話す。賞は、その応援でもある。
 東南アジアの津波被災者の知恵を伝えた岩手県宮古高、幾何学のユニークな授業を考案した福島県小高商高(現小高産業技術高)の授業など、東日本大震災や福島第1原発事故の被災地で、懸命に創意工夫する教師らも賞に選ばれた。
 受賞者たちは毎年、同大の教室で記念講演を行うならわしで、教育を志す多くの学生が聴いている。「こんな新鮮な刺激はない。未来につなげていきたい」