3月の天気は気まぐれだ。暴風雪で始まったと思ったら、5月並みのポカポカ陽気に。ところが翌日は息が白く見えるほど寒かった。冬の色と春の色が、濃くなったり薄くなったりしている。
 それでも、仙台市内のスーパーや市場の野菜売り場には、春の色が目立ってきた。フキノトウにタラの芽。花屋の店先も華やいで見えると言ったら大げさか。
 春の季語に「山笑う」がある。「春山淡冶(たんや)にして笑ふが如(ごと)く、夏山は蒼翠(そうすい)にして滴(したた)るが如し。秋山は明浄(めいじょう)にして粧(よそお)ふが如く、冬山は惨淡(さんたん)として眠るが如し」という中国の画論による。春の山は、娘がにっこりする感じだそうだ。
 あすで、東日本大震災の発生から7年になる。あの日は寒かった。直後に雪が降り、漆黒の空に埋まった星たちは氷の粒のようだった。ことしは、七十二候でいう「桃はじめて咲く」に当たる。「桃始笑」と書く。
 暦では「笑」のあふれる3月。東北の被災地も、春の訪れのように、少しずつ少しずつ、そうなっていけばいい。
 あすは晴れるだろうか。