「民藝(みんげい)」という言葉は、思想家の柳宗悦(むねよし)(1889~1961年)が唱えて広めたという。庶民が使う生活用具を「民衆的工芸」と呼び、略して「民藝」。柳は暮らしから生まれた陶器や木工品、布などに美しさを見いだした。
 彼は仲間と全国を旅しながら優れた手仕事による品々を集め、約80年前、日本民藝館(東京)を創設。現在、約1万7000点が収められている。その中から、東北ゆかりの品など約120点を紹介する企画展を見てきた。
 仙台市博物館で開かれている「手仕事の日本-柳宗悦のまなざし」。青森に伝わるこぎん刺し、秋田の樺(かば)細工や岩七輪(しちりん)、宮城の堤人形…。いずれの展示品もぬくもりと品のある質感が伝わる。
 柳は手仕事についてこう説いている。「そもそも手が機械と異なる点は、それがいつも直接に心と繋(つな)がれていることであります」。手仕事は心の仕事にほかならない、ということか。
 柳はこの作品にどんな心を感じ、どこに美を見たのだろう。そんな思いで企画展を見るのもいい。6月3日まで。