仙台藩最大の行事「仙台祭」は全国的に知られる祭りだった。豪華さを極めたのが山鉾(やまぼこ)。藩の御用達商人だった平井家(宮城県柴田町)19代当主の故・安三郎さんが約40年前にまとめた本『仙台祭 絵図』でその一端を知ることができる。
 図柄は浦島太郎や牛若丸などおなじみの人物。躍動感ある筆致からは当時の人々の息遣いが聞こえてきそうだ。本によると、当時の市民は金銀の飾り物、絹布の着用を禁じられたが、仙台祭の日だけはおかまいなし。山鉾を作る老舗は豪勢ぶりを殿様に喜んでもらおうと、膨大な費用を惜しまず制作に取りかかった。これぞ仙台市民の心意気だろう。
 平井家には江戸時代の書物、掛け軸、陶器など貴重な資料約2万点が伝わり、整理が追いつかない状況という。「資料を整理し、人に見てもらう機会をつくりたい」と20代当主の寛一郎さん(49)。
 江戸時代の仙台祭をルーツにする青葉まつりが19日に開幕する。今年のテーマは「舞」。勇壮な山鉾、軽快な踊り、多彩な食。先人に負けないように粋な振る舞いで観光客をもてなしたい。