突然、大きな音とともに激しい縦揺れが襲った。「布団をかぶって揺れが収まるのを待った。数十秒が数十分くらいに感じた」。異国で経験した恐怖はいかばかりだっただろうか。

 19年前のきょう未明、台湾中部でマグニチュード(M)7.7の大地震が発生し、2400人余の人命が奪われた。冒頭は震源地・南投県で被災した仙台市の女性の体験談。雷のような山鳴り、岩が崩落する音が一晩中続いたという。

 国際消防救助隊の一員として、仙台市消防局のレスキュー隊4人が、地震発生から24時間以内に現地入りした。日本の救助隊による迅速な対応に、勇気づけられた被災者も多かったに違いない。

 台湾中部大地震から12年。東日本大震災で、今度は日本が大いに助けられた。人口約2360万の台湾から200億円を超す義援金が届いたというから驚く。

 震災以降、専門家は「動く大地の時代の幕が開けた」と警鐘を鳴らす。「明日はわが身」の備えはもちろん、国内外から多大な支援を受けた被災地の一員として、恩を忘れず、語り継いでいきたい。