きょう閉幕の福井国体。前回開催の1968年の大会は、選手8千人を民家が受け入れる県民総掛かりの「民泊国体」として注目されたそうだ。

 食事の用意に忙しいお母さんたち、茶の間でくつろぐ選手らの記録映像が残っている。その2年後の岩手国体でも近所の家に他県選手が泊まっていた記憶がある。「国体の成功は民泊から」。善意と感謝を前提に地域間交流が根付いた。

 近頃、観光・ビジネスに傾く民泊は、言葉の意味が随分違ってしまった。自宅がある仙台市内のマンションで、民泊新法に基づき事業を行う計画が持ち上がった。希望があれば部屋の一部を宿泊用に充てる家主居住型事業というらしい。

 仙台市への民泊の届け出は9月半ばまでに22件。同市以外の宮城県34件。札幌市は千件超だから、活発とは言い難い。宿が足りているのか。制度が知られていないのか。さては地域の意欲の問題か。

 宿舎に不自由する人たちのための助け船に違いはないが、事業化と聞くと何だか世知辛い。トラブルも心配だ。マンションの届け出は当面、見送りになった。