舞台は仙台市東部の新興住宅街。老夫婦が震災の津波で住宅を失い、親友夫婦の家に居候している。4人は常々、「住民同士でもっと交流を深めたいが、妙案はないものか」と語り合っていた-。
 半世紀以上の歴史を持つ地元の劇団麦は20、21日、青葉区のエル・パーク仙台で地域社会の在り方を問う『同じ屋根の下』を上演する。稽古場を訪ねると、主宰の熊谷盛さん(78)は「新聞記事が脚本執筆のきっかけ」と教えてくれた。
 2月、仙台市がいじめ自殺問題の調査委員会を開いた際、ある専門家が市教委幹部を過激な言葉で攻撃し、物議を醸した記事だという。
 「行政批判だけで問題の解決につながるとは思えなかった。住民が自分たちの住む地域や学校、子どもたちにもっと関心を持ち、信頼関係を構築することから始めるべきでは」と熊谷さん。
 劇では老夫婦の娘が、住民交流の妙案として「地域の劇団を作ろう」と提案する。熊谷さん自身が地域劇団の活動を手助けした実体験に基づくという。さて結末は。客席で確かめることにしよう。