「2日間で150人の来場者。作家と語り合うイベントも盛況でした。知らなかった日常を発見し、そこに生きる人々と出会う場になれば」。宮城県大和町で開かれた「吉岡宿にしぴりかの映画祭」。名取市在住の映画監督宍戸大裕さん(36)はこう振り返る。
 映画祭は3年目。心身の障害、社会の少数者の悩み、差別との闘いなど「生きづらさ」を抱える人たちが映画の主人公だ。背景にある現実、映画に込めた思いを作家らが語り、客と意見を交わした。
 会場は障害者のアートを展示する美術館。その運営団体の代表や映像作家らの実行委員会が作品を選んだ。今年は冤罪(えんざい)を背負った人々の再出発を追う『獄友』、障害のある性的少数者の日常を見つめた『11歳の君へ』などが上映された。
 宍戸さんの新作『道草』も好評だった。施設ではなく1人の暮らしを選んだ自閉症や知的障害の人たちを2年間、撮り続けた。「通所施設の帰り道に買い物をし、公園で過ごす。道草だらけの自立への道だが、伸びやかに生きる姿を見てほしい」。来年2月に全国上映される。