ギターの生演奏に合わせて要支援・要介護の高齢者ら約20人が、朗らかに昭和の歌謡曲や唱歌を歌う。鈴を鳴らして興じる人も。今月上旬、仙台市青葉区南吉成にあるデイサービス事業所は、ライブハウスさながらの熱気に包まれた。
 ギターを弾き、歌をリードするのは施設の責任者の山下圭さん(43)。「キラキラと輝いていた時がよみがえり、心身が元気になるように」と、音楽を活用した健康支援に取り組んでいる。
 山下さんはかつて高校を中退し、好きな音楽で飯を食っていこうと決心。テレビ番組で出会ったロックバンド「シャ乱Q」のリーダー、はたけさんに声を掛けられて付き人になり、楽曲制作に携わった。後に故郷の石巻市に戻り、ライブバーなどで働きながら独り立ちを目指すも、ままならなかった。
 今の仕事に就いたのは8年ほど前。福祉の場がステージとなった今、音楽をする喜びをかみしめている。「利用者が生き生きと歌う姿を見て、幸せに思う」と山下さん。「生きがい工房」と名付けた施設で今日も演奏する。