「もし家族が自死で亡くなれば、思いもしない法律問題が後に残されます」
 こう話すのは社団法人「全国自死遺族連絡会」代表の田中幸子さん(69)。仙台市内の遺族で、2006年から当事者をつなぐ集いと支援の活動を続ける。
 長年応援してくれる弁護士、司法書士らの執筆協力で、このほど『自死遺族が直面する法律問題』という冊子を出版した。4千部を無料で配布中だ。
 少なからぬ当事者が経験したのが、家族が亡くなったアパートなどの家主から請求される多額の損害賠償。部屋のおはらい、清掃や改装の費用、数年分にわたる部屋の賃料補償などを1000万円近く請求される例があった。
 他にも、いじめや鉄道での自死、その後の生命保険や相続を巡る遺族の対処も、裁判や体験例から紹介している。
 自死では毎年2万人余りが亡くなる。「社会の多様な原因で追い込まれての死です。誰にも起きうるのに、今もタブーや偏見で特別視され、遺族は理不尽に苦しむ。助けになれば」と田中さん。連絡先は090(5835)0017。