ちょうど1週間前。各地で初競りが行われ、生鮮食品の流通が本格始動した。仙台市中央卸売市場にも鮮魚や食肉、果物などがずらりと並んだ。水産物部門の最高値は青森県大間産のクロマグロで1キロ当たり2万円。前年より7000円高く、幸先の良いスタートを切った。
 この価格、食卓に上ったときのことを考えれば決して安くはない。ところが、全国の耳目を集めた上に2万円を安く感じさせる出来事が起きた。東京・豊洲市場の初競りで、すしチェーンの運営会社がマグロ1本を3億3360万円で落札した。大間の漁師が仕留めたマグロで、1キロ120万円の計算になる。
 脂の乗りや型の違いこそあれ、同じ大間産でこんなに値が開くとは、と驚いた。夢のような金額は、大物を釣り上げた藤枝亮一さん(64)に「1桁間違っていると思った」と言わせたほどだ。
 ただ、もろ手を挙げて喜べない側面もある。手元に残る額は、漁協や荷受業者などへの支払いや税金で半分ほどに減るそうだ。とどのつまり、所得税を徴収する国が漁夫の利を得るということか。