手を振って笑っているような「笑」の字、和紙に浮かび上がる黒々とした墨。仙台市青葉区のカフェ&ギャラリーガレでアート展「たねを蒔(ま)く書~鳥が笑う、風がはこぶ」が始まった。

 制作した青葉区の橋本祐哉さん(18)は自閉症で知的障害があり、特別支援学校を今春卒業した。東日本大震災で不安定になった橋本さんに生涯楽しめる趣味を持ってほしいと、母武美さん(54)が書道教室に連れ出したのがきっかけだ。筆やブラシ、木片を使って1時間に100枚ほど書き上げることもあるという。

 障害のある人が個展を開くのは仙台では珍しい。発表の場があっても「障害者の芸術」とくくられることが多い。障害があるのにすごい、障害者の作品だから素晴らしい-。作品への純粋な評価とは違った視点がある。

 「障害を特別視せず、作品そのものを見てほしい」と武美さんは願う。それは障害のある人の存在を当たり前に認めることでもある。不要なレッテルを外し、みずみずしい才能を鑑賞したい。アート展は30日まで。