「星」「旅」「晴」「桜」…。個性あふれる文字が半紙に踊る。勢い余って紙をはみ出す線もある。先日、仙台市内であった現代書展は鮮烈だった。
 作者は仙台市太白区の三浦紀子さん(41)。運動機能が徐々に失われていく「脊髄小脳変性症」という難病に侵されている。発症したのは2002年。仕事中、同僚から「歩き方がおかしい」と言われたのが最初だった。
 「母も生前、同じ病でした。私もそうか、と直後はふさぎ込みました」
 いずれ寝たきりになる。そう覚悟した。病を受け入れ、できることをやろうと自身に言い聞かせた。13年、障害のある仲間と書道サークルをつくった。「細かい文字は無理でも大きい文字なら書ける」。四季折々の心象風景を表現した。
 症状が進む中、一本の線を引くのにも全身全霊を傾ける。指導する書家大塚耕志郎さんは「身体の揺らぎ、震え、呼吸の全てが作品になっている」と話す。
 「書は日記のようなもの。自分が存在した証しです」と三浦さん。体が動く限り、書き続けようと心に決めている。