仙台市若林区の荒浜地区は半農半漁のほか、手業の職人の多いことで知られた。近所から修理を頼まれたら「トントントン」と直してしまう。

 エンジニア出身の二瓶照満さん(74)も、手作りのぬくもりに満ちた竹細工をこしらえている。荒浜小近くの自宅は津波で流され、宮城野区に新居を構えてからというもの、時間を持て余す毎日。手すさびにできることを探していた。

 大倉ダムの近くまで竹を切りに行き、割れにくくするために表面を削って組み立てる。妻のそのさん(72)が絵本を児童に貸し出す「荒浜文庫」を自宅で開いていたこともあって、竹製の虫かごや赤トンボの形をくりぬいた六角灯など、子どもの喜ぶ作品が多い。

 先ごろ、地下鉄東西線荒井駅にある「せんだい3.11メモリアル交流館」の縁日に「浜工房 照」を出店した。懐かしい荒浜の顔ぶれが駆け寄り、明かりなどを買い求めた。「仲間に会うとほっとします。つながりを続けていきたい」。新たな楽しみを見つけた二瓶さんに、みんな声援を送っている。