借りている駐車場に向かう途中に横断歩道がある。朝夕の通勤時間帯は交通量が多い道路だ。横断歩道の前に立っても車がなかなか止まってくれない。

 わずかな隙を見つけて走って渡る。横断中、ものすごいスピードで車が向かってくることもある。歩く速度が遅いお年寄りには渡るのは困難だろう。

 「歩行者の有無が分からない場合は横断歩道の停止位置で止まれる速度で進行する」「横断しようとしているか横断中の歩行者がいる場合は一時停止する」。道交法は運転者にそう求めている。

 立場が変わって、ハンドルを握っていると、横断歩道の前で止まるのが難しいと感じる時もある。走っている車の流れが速く、前の車が通過しているのに自分だけが止まると、後ろの車に突っ込まれそうで怖い。

 車の性能が向上してスピードが出やすくなっているのか、みんな忙しくて急いでいるのか-。びゅんびゅん飛ばす理由は分からないが、横断歩道の前で手押し車の高齢者がおろおろしている状況を放っておく社会は、どこか寂しい。