「名誉職」といわれた地方議員のなり手不足が深刻化している。4月の統一選以降、その傾向は顕著だ。8月は仙台市議選(定数55)こそ五つの選挙区全てで選挙戦となったが、多賀城市(18)は無風のまま決着した。その2日後の宮城県七ケ浜町(14)も無投票だった。

 何も宮城に限った話ではない。8日投開票の岩手県議選(48)は、16選挙区のうち8選挙区の15人が投票を経ずに当選を決めた。なり手不足の背景には、地方選ならではの事情がありそうだ。

 政局や風の影響を受けにくい地方の議員選はむしろ、組合や団体、後援会などの規模や集票力が当落の鍵を握る。ただ、その組織づくりが困難を極めるようになった。政治への関心度は、下降線をたどる投票率を見れば一目瞭然。無関心層が増えれば、組織を支える人材は減る。

 結果、組織構築の手間が省ける2世議員の台頭、後継者への地盤の禅譲につながっていく。地域課題に向き合い、汗をかく人が少なくなったとすれば残念なこと。「出したい人」を掘り起こしていかなければ、民意がさまよいかねない。