韓国大統領側近の娘が名門の高麗大に不正に入学した疑いがあるなどとして、学生らが抗議の「ろうそく集会」を開いたとの報道に接し、吉野弘さんの『SCANDAL』という詩を思い出した。

 <スキャンダルは キャンドルだと私は思う。人間は このキャンドルの灯(ひ)で 闇のおちこちを見せてもらうのだと私は思う>
 学都仙台でも「ろうそく集会」が開かれるかもしれない。東北大大学院農学研究科が8月に実施した博士前期課程入試で、生物産業創成科学専攻の合格発表が延期となり、異例の再試験が行われた。

 東北大によると、食品化学の試験問題が一部の受験生に事前に漏れていた疑いがあるという。教員が問題を漏らしていたとしたら、公平公正を期すべき入試制度の根幹を揺るがすスキャンダルだ。

 吉野さんの詩はこう続く。<他人の灯(とも)したスキャンダルで、しみじみ ひとさまの闇を覗(のぞ)くのだと私は思う。自分の闇とおんなじだわナ、と>。隣国と同じ闇を抱えてはいまいか。闇の隅々まで照らし出す巨大なキャンドルが要る。