仙台市郊外を車で走ると、田んぼの所々に水が引いてある。田植えの時期が近づいてきた。もうすぐ一面、太陽の光が反射して鏡のように輝く。筆者にとって最も好ましい季節である。

 農家の方がラジオ番組に声を寄せていた。「新型コロナの騒動があっても、農作業の準備を淡々と進めるだけです」。おどろおどろしい昨今の人間社会とは関係なく、自然界の時は流れる。

 元号が改まったのは昨年のきょう、5月1日だった。東京・渋谷で前夜からのカウントダウンがあった。仙台市中心部のアーケード街には祝いの横断幕が掲げられ、大勢の買い物客でにぎわった。

 祝賀ムードに包まれたあの日が遠い昔のように思える。連休谷間の仙台駅前は多くの店が休業し、人出もまばら。仙台朝市が巣ごもり市民の食材調達のため孤軍奮闘している。

 実りの秋に感染拡大は終息しているだろうか。閑散とした仙台駅で、休業中の「びゅうプラザ」入り口に墨で「希望」と書いた張り紙があった。そう、望みを捨てずに今は自粛に努めよう。