20年前から筆者がずっと動向を気にしてきた選手が、昨季限りでプロ野球を去った。ロッテなど3球団に所属し、96勝を挙げた成瀬善久投手(34)だ。

 成瀬投手は2000年の夏、全国中学校軟式野球大会の準々決勝で、桑(栃木県小山市)の主戦左腕として中田(旧宮城県中田町、現登米市)と対戦。試合は中田が0-1で惜敗した。成瀬投手が7イニングで奪った16三振は全中大会の最多記録で、剛腕ぶりはネット裏で取材した筆者の目に今も焼き付いている。

 高校は横浜(神奈川)に進み、甲子園の選抜大会で準優勝した成瀬投手。高校、プロで度重なる故障を克服しながら活躍する左腕を、20年前の中田ナインも見守ってきただろう。好投手に喫した16三振を青春の「勲章」として。

 成瀬投手は今年1月、BCリーグの栃木に選手兼投手コーチで加入し「地元で野球ができ、ありがたく思う」と話した。仙台市出身で、昨季けがからの復活登板を果たした東北楽天の由規投手(30)の姿と重なる。1年が大事なベテランたちのためにも、球音が待ち遠しい。