日本万国博覧会(大阪万博)が開かれたのはちょうど半世紀前の1970年。シンボルとなったのが、美術家の故岡本太郎さんが手掛けた「太陽の塔」だ。

 高さ70メートルの巨大な造形は会場を覆う大屋根を突き抜け、見る者の度肝を抜いた。縄文土器から着想を得た作品だという。高度経済成長に浮足立つ社会を突き放すように、岡本さんは古来人間が持つ素朴で、荒々しい表現に目を向けた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、太陽の塔は現在、大阪府によってライトアップされている。府内の感染の広がりを照明の色で表示。今は警戒基準を下回ることを示す緑だが、油断はできない。

 コロナ禍を通じて改めて気付かされた。人間もしょせん、あまたいる生き物の一つ。ウイルスもまた、自然界の一部だろう。高層ビルが立ち並ぶ都市であろうと、共に一つの世界を形成している。

 長期の闘いを想定し、「ウィズコロナ」の生活様式を身に付けなければなるまい。何かと制約は多いが、しばらくは我慢。厳しい自然環境を生き抜いた縄文人のタフな精神に思いをはせつつ。