県境とは何だろう。幕藩体制を覆した明治政府は、気まぐれに線を引いたところがある。戊辰の役で戦った東北地方は特にそのようである。

 戦後、その線引きのままで地方自治へと移り、「○○県民」という呼び名も定着している。新型コロナウイルス感染に伴う緊急事態宣言の解除は都道府県ごとに行っている。

 「あの県は大丈夫」「危うい」と聞くと妙に引っ掛かる。宮城県の関係部局に取材した時、「当方は落ち着いています」と答えたが、緊張する首都圏に水を向けると関心を示さなかった。

 病床に余裕があり、PCR検査もスムーズに流れているのなら、「一時的でも他の自治体の分を引き受けたら」と言いそうになった。疑われる人を外に出して遠くまで運ぶのは禁じ手だけれど、そこをうまく中央にコントロールセンターを置いて、厳重に管理して搬送すれば沈静化に役立つのではないか。

 「○○県解除」の報を耳にするたびに思う。第2波、第3波を考えると、あまり県境にこだわるのはどんなものかと。