東北で「レインボーハウス」という施設が仙台と石巻、陸前高田の3市にある。東日本大震災で親を亡くした子どもらが集い、心の傷を癒やす場。震災遺児らを支援するあしなが育英会(東京)が建てた。仙台の施設は3月1日で開所から4年となる▼「子どもたちには息長いケアと幅広い支援が必要だ」とハウス建設に奮闘したのが、あしなが育英会の東北事務所長を務めた林田吉司(よしじ)さん。昨年11月、肺がんのため65歳で亡くなった。遺児のために尽くした人生だった▼大学時代に交通遺児救済の街頭募金に立ち、交通遺児育英会に入った。東京にある交通遺児の学生寮を受け持ち、若者を励まし続けた。「貧乏は恥じゃない。つらい体験をした人は優しくなれる。人のために生きなさい」▼その後、あしなが育英会に転職。阪神大震災後、神戸にできたケア施設で遺児らに接し、その経験を東北で生かした。「心配してくれる人の存在が遺児たちの力になる。レインボーハウスは存在すること自体に意味がある」と熱っぽく話していた▼東北の遺児たち一人一人の将来を案じていた。10人の遺児には10人の人生がある。100人の遺児は100通りの問題を抱えている。「東北は長い闘いになる」。そう語っていた林田さんの遺志をつないでいきたい。(2018.2.19)