牡鹿半島にある石巻市の鮫浦湾。2月の海で潜水作業をし、ナマコを採る若手漁師たちがいる。2016年9月に地元で発足した「谷川(やがわ)支所青年部」(14人)。特産のホヤの養殖が壁に突き当たり、新規開拓を目指して始めた漁だ▼福島第1原発事故後、韓国が宮城など8県の水産物を輸入禁止に。ホヤの大消費地であり、生産者は海を隔てた風評被害にあえぐ。青年部は新たな販路など生きる道を結束して模索中だ。「ナマコ漁も活動資金作り。ホヤの味を広めなくては」と会長の渥美政雄さん(41)▼宮城県漁協は2年前から売り先のないホヤを大量に処分。今年は生産調整を行う方針という。「悔しい思いをしてきた」(渥美さん)青年部は地元の若者らに南欧風の創作料理を提案する会を催し、東京や仙台の居酒屋でも客と交流。魅力をPRしている▼朗報になるのだろうか。韓国の禁輸は科学的根拠がないとする日本の訴えが世界貿易機関(WTO)に認められ、22日、「不当な差別」と是正が求められた。ただ韓国もすぐ「国民の健康保護と安全」を挙げて上訴を発表した▼ホヤ好きの消費者らが交流サイトで広げる「ほやほや学会」、県内の大学生が水産加工業者と組んで商品化したホヤ鍋-。解決はまだ見えないが、生産者を力づける応援も広がっている。(2018.2.24)