今年秋に放送が始まるNHKの連続テレビ小説『まんぷく』は、日清食品創業者の故安藤百福(ももふく)さんと妻の故仁子(まさこ)さんがモデルの物語。失敗を繰り返しながらも、即席麺の開発などで成功を収める実業家を支えた仁子さんは父親が二本松神社(二本松市)の宮司を代々務める安藤家の出身▼宮司の安藤豊さん(41)によると、仁子さんは生前たびたび参拝に訪れた。亡くなった後も神社の例大祭にはカップ麺の奉納が続き、拝殿にうずたかく積まれる▼連続テレビ小説を巡っては、隣の福島市が同市生まれの作曲家古関裕而さん(1909~89年)、金子(きんこ)さん夫妻が主人公の作品実現をNHKに働き掛けている▼独学で作曲を覚えた古関さんは、20歳の時に英国の作曲コンクールで入賞。その快挙を新聞で知った愛知県出身で声楽家を目指していた金子さんは「楽譜を送ってほしい」と手紙で依頼。ふたりは文通を続け、4カ月後に結婚した▼『長崎の鐘』『栄冠は君に輝く』といった数々の名曲を残した古関さんは、79年の名誉市民授与式で「いつも吾妻山や阿武隈川を思い出して作曲してきました」と話した。東京電力福島第1原発事故から7年。昭和を代表する作曲家が生きていたならば、どんな旋律で傷ついた古里の人々を慰め、鼓舞しただろうか。(2018.3.13)