「魔の時間帯」。午後3~5時、子どもが犯罪に巻き込まれる危険が最も高い時だという。千葉県警の分析を見ると、小学生らが見知らぬ相手から「声を掛けられた」など、13歳未満の子どもを巡る昨年中の不審者情報が約1200件。うち65%が同時間帯だった▼場所は「路上」が7割。学校や遊び場、塾からの帰り道だ。一人きりの帰宅途中も7割近く。集団登校が多い朝より大人の目も離れがちで、昔の人が「人さらいの出る逢魔(おうま)が時」と呼んだ頃だ▼新潟市で7日に起きた小学2年の大桃珠生さん(7)殺害・遺棄事件。下校中の午後3時すぎ、友達と別れ一人きりの家路で不明に。同10時半ごろ、自宅近くの線路で列車にはねられた遺体で見つかった。警察の捜査で14日、容疑者が逮捕された。近所に住む若い男だった▼事件があった夕方、教員や警察官が近隣を捜したが見つからず、無事を願う家族の心を引き裂く所業だった。大桃さんは先に窒息死させられていたという。何のために深夜の線路で、さらにむごい扱いを加えられたのか▼事件に胸を痛め、不安や恐怖に1週間さらされた地元の人々にも、容疑者が身近にいたとは一層衝撃だろう。「魔の時間帯」は学校を終えた子どもらが一番安らぐ時でもある。そこにつけ込む大人を許すまい。(2018.5.15)