国民の6割が訪れた計算になる。1970年に大阪府で開かれた国際博覧会(万博)は、半年間の会期中の入場者が約6420万人に上った。後にも先にもこれだけの規模のイベントはないだろう▼夢、未来への希望にあふれていた。今は生活に溶け込んでいる携帯電話や電気自動車が人々を驚かせた。月の石、宇宙船、国内では珍しかった外国人の姿。全てが非現実的な世界だった▼夢をもう一度と、政府や府などが誘致を進めてきた大阪万博の2025年開催が決まった。健康・長寿をテーマに、最先端技術を駆使した万博を目指す。再生医療で若返る展示などが検討されているという▼ただ、いまひとつ気持ちが盛り上がらない。筆者は25年と聞くと、2025年問題を思い出す。団塊の世代が75歳以上になり、社会保障費の大幅増が予想されるという問題。国民の3割が65歳以上になる。要介護高齢者は770万人。認知症、老老介護の問題が深刻化するとの指摘がある。だから“長寿万博”なのかもしれないが…▼万博の隣接地にカジノを含む統合型リゾート施設が検討されていることも不安になる。健康がテーマになる祭典の後に、精神疾患の依存症を生みかねないギャンブル施設? 経済ばかりに目が行くと、大切なことを見失いそうで怖い。(2018.11.27)