お雇い外国人。昔、日本史で覚えた名は法律家ボアソナード、建築家コンドル、医学者ベルツ…。明治初頭、政府が西洋の知識、技術の導入を急いで招いた「近代化」の教師だ▼当時は東洋の片隅の国。招聘(しょうへい)は高額報酬を要し、岩倉具視ら政府要人の俸給さえ上回った。お雇い外国人を求める日本の事情は現代も変わらない、と思わせたのが日産自動車を巡る事件だ▼報酬隠しなどの疑いで逮捕された前会長カルロス・ゴーン容疑者。19年前、経営危機の日産にフランス・ルノーから乗り込み、社長になるや大リストラなどで復活させた。自身の成功の対価と自負してか、役員報酬は日本の常識をはるかに超えて巨額と伝わる▼ゴーン容疑者は一例。国内企業の役員報酬で昨年度、トップ10の半数を外国人が占めた。いずれも10億円を超え、日本人社長の数倍の額も。今は世界規模の企業買収や市場開拓を競う時代。近代化ならぬ「グローバル化」時代を託すプロの招聘合戦も激しい▼容赦ないリストラでなく「全社員の幸福追求」を掲げて6年前、倒産状態の日本航空を再建させたのが京セラ創業者の稲盛和夫さん(86)。会長就任を懇願され、「無報酬」を条件に引き受けた。トップの熱意に社内は一丸になったという。日本流のやり方も見直しては。(2018.11.28)