英紙の「死ぬまでに見るべきスポーツ」の1位に選ばれたことがある。ともにアルゼンチンの首都ブエノスアイレスを本拠地にするサッカーチーム、ボカ・ジュニアーズとリバープレートによるダービーマッチ。50年前にファン同士が衝突し、多数の死者を出した。2年前は親善試合にもかかわらず、レッドカードが5枚。とにかく熱い。そして荒れる▼世界を見渡すと、各国、各地域に多くのダービーがある。政治、宗教、社会階級の問題が絡む場合が少なくない。民族対立を背景にしたスペインのダービーでは、ファンが相手選手に豚の頭を投げつける事件も起きた▼日本ではさすがに物騒なダービーはない。ただ、熱気は素晴らしい。天皇杯全日本選手権準決勝、J1仙台対J2山形の「東北ダービー」もそうだった▼仙台は技術とスピード。山形は粘り強さ。それぞれが持ち味を発揮した好ゲームだった。選手を奮い立たせたのは両チームのサポーターの声援。仙台が決勝に進出した▼試合後、「仙台には山形の分まで頑張って優勝してほしい」と話す山形サポーターがいた。こんな声が聞かれるのもどこか東北らしくていい。東北ではJ3の八戸、盛岡、秋田、福島などがJ1を目指し、しのぎを削る。北で、南で、東北ダービーが盛り上がるといい。(2018.12.7)