能代市の北隣、秋田県八峰町の道の駅のレストランに今月上旬、薬膳メニューが登場した。「肉団子と春雨のスープ」など、地元で収穫したキキョウの根を刻んで入れた3種類の滋養スープを選べる。メニューは「体を温めて、スタミナ満点!」とうたう▼秋の七草のキキョウは根にサポニンを多く含む薬用植物でもあり、生薬として利用される。八峰町は2012年に東京生薬協会と栽培協定を結び、町内では農家がキキョウやカミツレなどの薬用植物を栽培する▼医薬品の原料となる生薬は多くを中国からの輸入に頼ってきた。同協会は質の良い生薬の安定的な確保などを目的に、12年ごろから国内での栽培促進を後押しすべく産地の発掘や支援に力を入れている▼そうした流れの中で、秋田は全国でも反応と行動が早かった。八峰町に続く形で13年には美郷町も協会と連携協定を締結。両町とも「生薬の里」を目指し、地元産の生薬を医薬品メーカーに供給するなどの挑戦を広げている▼製薬会社の龍角散(東京)のルーツは秋田藩の御典医を務めた現美郷町の藤井家だというから、秋田と生薬は歴史的なご縁もあるようだ。医食同源の考え方にも合致する薬用植物の栽培に着目した取り組みは、秋田の農村に新たな活力をもたらすかもしれない。(2018.12.28)