昨年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会。日本代表初の8強を懸け、強国ベルギーを2点リードした試合で、当時の西野朗監督の指示は「このまま(守れ)」だった。だが鋭い反撃を招き逆転負け。悔しがったファンも多かろう▼「岡ちゃんなら、どうする」。先日、やはり元代表監督の岡田武史さんとテレビで対談した西野さんが問うた。勝負の選択を迫られる監督は迷いの連続という。「答えのない決断をするのが僕らの仕事」と岡田さん▼世界ランク50位の日本は「強豪」への戦いの途上。対談で二人が「待ち望んだ日本のサッカーが見えた」と口をそろえたのが、森保一監督率いる現代表チーム。中東で開催中のアジアカップで、優勝候補イランを3対0で破り決勝に臨む▼大活躍する南野拓実選手ら20歳すぎの新顔が攻撃と守りの柱になり、本場欧州で磨く速さ、強さを発揮する。Jリーグ誕生から26年たち、早くからプロの水も世界水準の技も肌で知る若者たちだ▼西野さん、岡田さんは土のグラウンドが当たり前の40年前、同じ大学でボールを追った仲間。世界の強豪は異次元の高みにあり、W杯など夢だった時代だ。無数の敗北や悔しい決断の経験を積み重ねた今、日本のサッカーに現れた新世代という。来月1日の決勝が楽しみだ。(2019.1.30)