福島県7421人減、青森県6285人減、岩手県5025人減、秋田県4434人減…。先日、総務省が発表した全国自治体の昨年の人口移動報告。住民の転入、転出の差し引きで、増えたのは東京圏などの8都府県に偏り、人口減は東北6県を含め大半の県に及ぶ▼オリンピック開催を来年に控える東京では景気のよい都市開発や大イベントが相次ぎ、人、事業、カネの「一極集中」が加速する。その陰で、国が旗を振り交付金を配る「地方創生」の成果は見えていない▼東日本大震災の傷が癒えぬ被災地では「古里の復興に役立ちたい」という動機でUターンする若者が増えた。家業を継ぎ、起業をし、NPOを担い、地元を元気づける姿に取材で出会うが、まだまだ数は少ない▼大分県の話を聞いた。「うちは人口2万3千弱だが、転入者増が5年続く」という豊後高田市。児童生徒の給食費や医療費の無償化、無料の公営塾、移住者向けの空き家バンクや団地分譲などで全国から若い家族を呼び込む▼「ふるさと納税をフル活用している」と同市。風光の良さも加わり、人気雑誌の「住んでみたい田舎」ランキングで常に上位だ。大都市住民の3割は田舎への移住を夢見ている-という国の調査もあり、地方を再びにぎわせる知恵をこぞって絞りたい。(2019.2.5)