改ざん、偽装、手抜き…。自動車や免震装置などの検査から政府の統計まで、人の信頼をゆるがす行為のニュースが後を絶たない。新たに報じられたのは、賃貸アパート業界の大手が建てた物件の施工不良。1300棟以上あるという▼地主にアパートを建築してもらい、業者は施工と管理を請け負い、家賃収入を地主に長期保証する。そんな契約を売り物に、自社ブランド物件を広げたのがレオパレス21。計1万4400人余りが住む33都府県のアパートで、耐火性能などに不備があったと発表した▼端緒は昨年5月。同社の物件で部屋と部屋を仕切る耐火壁が足りない実態を、在京のテレビ局が報じた。同社は4万棟近い物件の調査を始め、一部の判明分を公表。今回の発表では、外壁や天井でも法令を満たさぬ欠陥が見つかった▼現場で作業効率を上げようとし、施工不良が起きた-。社長は会見でこう述べたが、組織的な意図がなかったのか否か。何より大問題は、危険なアパートの今後。同社は入居者に転居を要請するという▼対象物件は宮城、福島、山形にもあった。転居と言われても真冬のさなか。家探しと引っ越し、転校の苦労もあるかもしれない。契約を信用したアパートの持ち主への補償はどうなるのか。無責任な対応は許されない。(2019.2.9)