世界3大テノールの1人、ホセ・カレーラスさん(72)は1987年、オペラ映画の撮影中に突然、体調を崩した。当時40歳、人気絶頂だった。パリの病院に緊急入院。48時間後に診断結果を聞き、大きなショックを受ける。病名は白血病だった▼10カ月間、生死の境をさまよった。治療によって美声も一時、失われた。死の恐怖と闘い続けた末に、病魔に勝つ。娘の存在と、病院に届いた15万通の激励の手紙が心の支えになったという▼来年の東京五輪でメダル獲得が期待される日本のエースを突然の病が襲った。きのう、競泳女子の池江璃花子選手(18)が白血病と診断されたと自身のツイッターで明らかにした▼過去に白血病を患った俳優の渡辺謙さんが語るように、今は絶望感にさいなまれているかもしれない。しかし、池江選手は「完治する病気。また、さらに強くなった姿を見せられるように頑張っていきたい」と書き込んだ。病気に立ち向かう強い意志を示しているところがいかにも池江選手らしい▼カレーラスさんは復活した後、甘く切ない声で世界中の人を魅了した。池江選手も、東京五輪への出場の可能性はゼロではないという。最後まで可能性を信じて頑張ってほしい。日本中のファンがあの美しく、伸びやかな泳ぎを待っている。(2019.2.13)