山形新幹線に乗ると、楽しみな弁当がある。JR米沢駅の手前で車掌が注文を聞き、同駅で積んだ弁当を売り子さんが届ける。名物の甘じょっぱい牛肉の弁当にささやかな旅情を味わった。それら弁当の車内販売が東北、北海道などの新幹線で来月15日を限りに終わる▼JR東日本によると、車内販売のワゴンから沿線の土産品も消え、飲み物や菓子、つまみ、雑貨類のみに。「やまびこ」では販売そのものがなくなる。「車内の売り上げが減った。人手不足の折、販売員の確保も厳しい」▼弁当が不人気なのか。いや、東京駅では全国の名物駅弁を並べる店が繁盛し、米沢の牛肉の弁当も人気と聞く。テークアウトの弁当店も増え、客が品比べをして買える。そうした「『駅ナカ』の充実も車内販売に響いた」と同社▼今、新幹線で仙台-東京間は最速1時間半。あっという間の便利さだ。出張の帰路など「晩飯は家に帰ってからゆっくり」と、余裕ができたことも、車内で弁当を食べる習慣を変えたのでは。変化はまだある▼「隣で弁当の臭いを漂わせないで」。こんな苦情を言われた経験はないが、最近ネットなどで、新幹線も含め「列車内の食事はマナー違反」との意見が多いことに驚く。相席の客に弁当やミカンをお裾分けした旅ははるか昔だ。(2019.2.20)