仙台市宮城野区の福住町内会が先月、豪雪地帯の尾花沢市鶴子地区を訪れ、高齢者宅で雪かきボランティアをした。福住町内会と鶴子地区は2010年に災害時相互協力協定を締結。東日本大震災発生直後、鶴子地区の人々はおむすびを握って福住町内会に駆け付け、事前の備えを生かした▼雪かき支援は今年で10回を数える冬の交流行事。鶴子地区は決まって「ひっぱりうどん」で福住町内会の労をねぎらう。ひっぱりうどんは山形県の内陸部で愛されている郷土料理の一つ。ゆでたてのうどんを鍋から直接引き上げて食べることからその名が付いた▼味の決め手は缶詰のサバの水煮。血液や血管に良い成分が豊富なため、近年は健康食として注目を集める。これを納豆や薬味と共につけダレに入れ、うどんを絡めてすする▼サバ缶は震災後、食料が品薄になる中で比較的手に入れやすい貴重な栄養源だった。被災体験を教訓に缶詰の備蓄を始めた人も多いのでは。缶詰には賞味期限があるので更新を忘れずに▼震災8年の11日、各地で鎮魂を祈る人、復興を願う人、故郷を思う人がいた。悲劇を繰り返さない。非常食の入れ替えをするときは大切な人たちとあの日の誓いを思い返し、家具の転倒防止、避難路の確認など事前の備えを点検してほしい。(2019.3.12)