第三セクターの秋田内陸縦貫鉄道が運行する秋田内陸線が平成最初の年に全線開業してから、4月1日で30年になる。名前が物語るように、秋田県の内陸にある鷹巣駅(北秋田市)と角館駅(仙北市)間の94.2キロを南北に貫く鉄道だ▼鉄道を通す計画が持ち上がったのは100年近く前のこと。1922年施行の改正鉄道敷設法で建設予定線と位置付けられた。鷹巣と角館から1文字ずつ取って鷹角(ようかく)線と呼ばれた▼鷹巣から南へ向かう阿仁合線、角館から北に向かう角館線がそれぞれ暫定開業した。だが国鉄再建法のあおりで工事が凍結された試練もあり、難所とされる北秋田市と仙北市の市境の大覚野(だいかくの)峠を挟んで全線がつながるまでは70年近い歳月を要した▼内陸線が走るのは、大覚野峠東側の十二段峠に造られた約5.7キロの県内最長のトンネルだ。国道105号と並行する内陸線がここだけ十二段峠寄りに迂回(うかい)していることは、大覚野峠の難所ぶりを示唆するかのようだ▼105号は大覚野峠で急勾配や急カーブが連続して冬は危険度が高まる。そのため、秋田県はトンネル化の検討を始めた。平成の時代に「先行」した鉄道に続き、新元号を迎える年に進む次なる難所解消の動き。秋田の内陸経由の物流と人の行き来を活性化させるかもしれない。(2019.3.25)