<またか まただ またまたか またまたさ なれっこだな なれっこさ よくないな よくないよ どうする どうしよう 怒るか 怒ろう プン プン>。詩人谷川俊太郎さんの「また」という詩。政治家や官僚の問題発言を聞くたびに思い出す▼失言で物議を醸す代表格と言えば、麻生太郎副総理兼財務相。今回は麻生氏を「おやじ」と慕う側近の発言が問題になった。きのう辞任した塚田一郎国土交通副大臣の発言である▼麻生氏と安倍晋三首相の地元の道路整備を巡り、北九州市であった集会でこう語った。「首相や副総理が言えないので、私が忖度(そんたく)した」。事業を管轄する副大臣があからさまに利益誘導を認めるとは、開いた口がふさがらない▼驚いたのは本人の弁明。「大勢の人が集まる会で、我を忘れて誤った発言をした」。「記憶がない」はよく耳にするが、「我を忘れた」という言い訳は初めて聞いた。セクハラ発言やパワハラ発言をしても「我を忘れていた」と言えば、許されると考えているのだろうか▼辞任しても真相は闇に包まれたまま。近年、他の政治家の発言が問題化したケースでも説明責任は果たされることはなかった。国民が忘れるのを待つだけである。真摯(しんし)に、丁寧に、しっかりと。そんな決まり文句がむなしく響く。(2019.4.6)