「気仙沼ちゃん」こと白幡美千子さん(64)は、タレント萩本欽一さんの名を冠した1970年代のテレビ番組「欽ちゃんのドンとやってみよう!」に出演し、素朴な東北弁で人気を博した。今は気仙沼市大島にある旅館の女将だ。建物は東日本大震災の津波で半壊。車中や大島小体育館などで2カ月を過ごした。孤立した島で出所不明の水も飲んだ▼大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋がきのう、開通した。「万が一の時でもすぐ助けに来てくれる。安心です」と白幡さん。半世紀に及ぶ島民の悲願は「命の橋」として結実した▼島では20日、記念の祭りが開かれる。漁協青年部を中心に16団体、1026世帯の大半が関わる初の試み。飲食、物販、ステージ。餅まきは3000個の計画を5000個に増やした。実行委員長の小松博文さん(48)は「オール大島でもてなしたい」、観光協会青年部会長の村上盛文さん(45)も「活性化につなげる」と熱い▼開通と同時に定期航路は廃止される。代替バスの利便性、観光客の受け入れ態勢など課題は多い▼白幡さんは萩本さんの言葉を思い出す。「人と同じは駄目」「どんな困難もずっと考え続けていれば必ず解決策が見つかる」。橋は全国に誇るオリジナルの観光資源だ。「あとはドンとやってみるだけさ」(2019.4.8)