精神科医の香山リカさんは子どもの頃、誰もが平和を目指すと思っていた。大人になってそうではないと気付く。「争いでしか物事は解決できない」「戦争になった方がいい」と考える人がいると知った▼その経験から、若者に「一つの意見を信じる前に反対意見を調べた方がいい」と提案する。大事なのは誰の意見かではなく、しっかりした理由や根拠が記されているか。最終的に自分で考え、「私はこう思う」と言えるようにするべきだと主張する▼香山さんらの共著『世界を平和にするためのささやかな提案』から引いた。きのう公示の参院選で投票先をまだ決めていない人は、香山さんの考えを取り入れてはどうだろう▼まず、気になった人や政党に注目する。異なる意見も調べ、自分の答えを出してみる。既に投票先を決めた人も、違う意見を調べれば新たな発見があるかもしれない。選挙中は聞こえがいい言葉が飛び交うので注意したい。過去に国民は何度も国にだまされてきた。最たる例が戦争だ▼香山さんは「偉い人、力を持つ人の言葉もおかしいと思ったら疑う」ことを勧める。会員制交流サイト(SNS)は誤った情報も多い。各新聞、テレビの主張は違う。多くの意見を聞き、尊重しながら、自分の「こう思う」1票を投じてほしい。(2019.7.5)