インターネット関連事業を手掛ける盛岡市の工藤昌代さん(52)は地方の力を信じている。「しっかりと、ものづくりをしている人が多い」と力を込める▼「地方のものづくりは世界に通用する」とも語る工藤さんは、地元の企業や工房と新ブランド「iwatemo(イワテモ)」を創設。南部鉄器のケトル、ぐい飲みなどの磁器、木製家具を海外市場を視野に開発した。フィンランドの著名デザイナーがシンプルでモダンな形にデザイン。先月は首都ヘルシンキの催しに出展した▼ブランド創設も「地方」がキーワードになった。知人らを介して出会ったフィンランドのデザイン業界関係者と「地方のものづくりは素晴らしい」と意気投合した▼岩手の伝統工芸の輸出はやや苦戦中だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易情報センターの企業アンケートによると、2018年の南部鉄器の輸出額は約2億円。6億円近かった15年の約3分の1に減った▼ただ、伸びしろはまだある。ケトルを製造した三協金属(一関市)社長の小岩恵子さん(65)は「下請けではない初の自社製品。輸出への期待も膨らむ」と話している。「今後もアイテムを増やし世界に提供していく」と工藤さん。世界と戦えるものづくり企業が足元にたくさんあると確信している。(2019.10.7)