当初抱いた違和感は、日がたつにつれてなくなった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレビのニュースや情報番組などで出演者同士が離れた位置にいる光景のこと。人との間隔を空ける「社会的距離」を保つ試みの一つである▼感染リスクを抑えるために重要だとされる、密閉空間、密集場所、密接場面のいわゆる「3密」を避けるためには欠かせない。適正な間隔は約1.8メートル以上とされる▼その確保を呼び掛ける取り組みは世界中に広まり、中にはユニークなものも。独の自動車メーカー、アウディは、横につながった四つの輪が離れて並んだロゴマークを会員制交流サイト(SNS)で公開。環境保全団体世界自然保護基金(WWF)は、パンダ1頭分の距離を意識してと投稿して話題を呼んだ▼感染症予防と社会的距離の歴史は今に始まったことではない。約100年前、世界で約5億人が感染したとされる「スペイン風邪」でも、「3密」を回避するなどの対策を取った場合の感染率や致死率は、取らなかった場合よりも低かったという報告がある▼職場や外出先で、社会的距離を保ち続けるのは意外と難しい。でも、意識するとしないとでは、おのずと行動も変わってくるはず。まずは、できることから。今からでも遅くはない。(2020.4.7)