人生経験の豊富な高齢者こそが狙われる-。詐欺や悪徳商法の被害者心理に詳しい社会心理学者で立正大教授の西田公昭さんが著書で指摘している。では、なぜ、被害者は高齢者が多いのか▼被害者の8割近くが65歳以上の高齢者だ。長らく被害に遭わないで無事に過ごしてきたという自負がむしろ、あだになるという。経験に頼って、あまり深く考えずに「自分は大丈夫」と過信してしまう。それが大きな理由らしい▼「犯人たちは四六時中、あの手この手を考えているだましのプロ」と西田さんの本にある。社会には無数と言えるほどだましの手口があふれる。元幹部ら14人が逮捕された「ジャパンライフ」の巨額詐欺事件でも、手を替え品を替え…▼高配当の預託商法に関して行政処分を受けると、同社は新事業に形態を変えるなどして資金集めを続けた。「モニター商法」「リース債権」などと名前は変えても、その中身は高配当をうたって高齢者をだます詐欺そのもの▼この種の犯罪は金をだまし取った後も被害者を苦しめる。家族から責められ、うつに陥り、最悪の場合は自殺してしまうケースもあるといわれる。特殊詐欺や悪徳商法などの被害を避けるには、相手からお金の話が出たら、一人で決めないで誰かに相談するのが一番という。(2020.9.25)