ビールの発祥の地は古代メソポタミアだといわれる。麦芽を使ったパンを誰かが誤って水がめに落としたらしく、何日かたって飲んでみると、うまい。本当かどうかはともかく、これがビール誕生の伝説だ▼古代エジプトでは神からの贈り物とされた。中世の修道院ではたくさん醸造して、おかげで技術が飛躍的に向上した。栄養価が高く、液体のパンという別称もあるビール。断食の間でも飲んでよかったという(誠文堂新光社『ビール語辞典』)▼何千年にもわたって人間と共に歩んできたビールだ。今は酒販店に行くと、ビール、発泡酒、第三のビールなど、大手メーカーの色とりどりの商品に加えて、地ビール、クラフトビールが並んで選択に困るほどだ。ビール好きは、頬が緩む▼酒税法の改正であすからビールが減税され、第三のビールが増税される。両者を比較すると当然ながら増税額が減税額より大きい。味に遜色はなく、それでいて安い第三のビールを買い求めてきた消費者にとって、残念な値上げとなる▼「ビールの中には自由がある」と言ったのは、米国の独立宣言を起草した一人で、政治家のベンジャミン・フランクリン。その自由とはどんな自由だろう。税金を気にしないで、好きなだけ飲める自由だったらいいのだけれど。(2020.9.30)