瓶に入った牛乳を立ったまま飲むとき、人はなぜ腰に手を当てるのか。素朴な疑問の理由を探るNHKのテレビ番組『チコちゃんに叱られる』で以前、そんな問題が出た。答えは「牛乳瓶の形のせい」▼牛乳瓶の飲み口は直径が34ミリと広く、飲むときに鼻に当たって邪魔になる。そのため、人は無意識に体をのけ反らせて顔を傾ける。その際、腰に手を当てた方が体が大きく反るのだそう▼銭湯通いが当たり前だった昭和の時代、風呂上がりに腰に手を当てて牛乳を飲んだことがある人は少なくないはず。定番のコーヒー牛乳の陰で異彩を放っていたのが、家庭ではなかなかお目に掛かることができなかったフルーツ牛乳だ▼ホッとするような甘さと爽やかな味わいが特徴だった「昭和の味」が姿を消す。小岩井乳業(東京)がきょうで販売を終えるため。もともと、コーヒー牛乳に比べて販売数はそれほど多くなかったという。糖分が比較的多いことから、健康志向が強い現代においては敬遠されがちだったのか▼明治も昨年、瓶入りフルーツ牛乳の販売をやめており、今回の販売終了に、銭湯の経営者や常連客からは惜しむ声も。時代の流れとともに役目を終えたと言ってしまえばそれまでだが、あの味は懐かしい思い出として舌に残ることだろう。(2020.10.31)